なぜ企業は障がい者を雇用するのか

  企業が障がい者を雇用している理由 は、基本的には障害者法定雇用率制度に 伴う法的な理由によるものです。 ご存知の通り、従業員数に対して一定の 割合の障がい者を雇用しなければ不足数 分の納付金を納めなければならず、また 改善されない場合は企業名が公表される こともあります。 特に上場企業においては、コンプライア ンス上の問題もあるため、どの企業も 障がい者を雇用するための努力を行っ ており、結果として大企業の雇用率は年 々上昇しています。 一方で、今年(2013年)4月より1.8%だっ た法定雇用率が2%に引き上げられました。 この大きな理由としては、納付金を原資 としている障がい者雇用に関する助成金 の財源が、企業の雇用率が上がってきた ことにより不足してきていることがあり ます。 このことは今後、法定雇用率がどこまで 引上げられるかということと大きく関わ っています。 つまり、企業の雇用率が上昇すれば法定 雇用率は引上げざるを得ないという構造 的な問題があるのです。 この対応として、2010年から納付金の対象 企業が従業員200人以上(それまでは300 人以上)に拡大され、2015年に更に100人 以上の企業に拡大することになっていま す。 (続く)